ダイナースクラブの誕生エピソードとしてよく見聞きするマクナマラの話。今でもまことしやかに語り継がれていますが、実は作り話です。
さらに、世界初のクレジットカードがダイナースクラブだという誤情報も独り歩きしています。
ダイナースクラブの創設に関しては、有名な神話がある。それは、「一九四九年春、Mr.マクナマラという事業家が財布を忘れて困った。彼は、「お金が十分あるのに、たまたま持ち合せがないだけで信用が疑われてはたまらない』と直感し、現金よりも合理的な決済手段を模索。グルメ仲間と懇意のレストランで『食事する人達= Diners』というクラブを設立した。……」という書き出しで始まる話である。この文章は、日本ダイナースクラブのホームページに掲示されている文章を、ここにそのまま引用したものである。
多くの識者達は、近代クレジットカードの話題に言及しようとする際に、この神話を枕言葉のようにして引用してきた。この神話は、実は、創業当時の同社の広報係であったM・シモンズが、新聞記者の注意を惹くためにした作り話がもとになっており、事実とは基本的な部分で異なっている。
「アメリカクレジット産業の歴史」より引用
ネット上の情報は劣化コピーが増えていき、正しい情報が埋もれてしまうことがあります。情報の真偽を見抜く目が必要です。
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